妹島和世と西沢立衛のSANAAが企画、展示構成を手掛ける展覧会だけあって、SANAA関係者展みたいな気もする。ジャンルや世代も多岐にわたるが、建築勢は完成形よりはプロセスやスタディ模型を見せるものが多く、アートに少しでもすり寄ろうという意図が見えた。特にスペイン勢建築家が多く内容も興味深かった。
石上純也の展示はまたしても「メンテナンス中」。彼のはいつも展示中に壊れてしまうのだが、彼の作品特有で残念と言うよりはおかしかった。
インドのスタジオ・ムンバイやバーレーン文化省、そして近藤哲雄他の作品は、いずれも妹島和世が総合ディレクターを務めた第12回ヴェネツィア・ビエンナーレで話題になったものである。こういった形で日本においてそれらの作品に触れられたことは貴重だった。屋外展示されていた「Cloudscapes」は箱の存在感もよかったが、やはり人工雲を突き抜けて歩くという初めての体験がおもしろい。この雲をつくり出したのはクライメート・エンジニアと言われる建物内の気候を担当するドイツの専門家集団。こういう立場の人は今後様々なところで必要になるのではないでしょうか。
エントランスホールでは「失われた街」という大震災で失われた沿岸部の模型復元プロジェクトの展示。ギャラ間での展示は見逃してしまったから、ここで見られたのはよかった。まっ白な失われた街がものも言わずに、それでもなにか我々に訴えているような気がしてしばし呆然としてしまいました。
